野菜不足症状

日本人の実に7割が野菜不足だと言われる昨今、特に若い世代に限らず食の欧米化が進んでいます。厚生労働省が目標としている野菜摂取量には程遠いと言われています。

その背景には終戦直後、欧米の食文化が一般庶民にも紹介され、体格の向上を図るために動物性食品である肉類や乳類の摂取と油脂類の摂取を増やすことが薦められたこともあるそうです。

結果、米の消費が減ってパンや麺などの小麦製品の消費量が増えるとともに、魚介類や豆類・海藻などの植物性食品の摂取が相対的に減少しました。

日本では終戦直後から国民の栄養素などの摂取状況を把握して、食糧の輸入や供給計画を立てるための基礎資料を得ることを目的として「国民健康・栄養調査(旧国民栄養調査)」が行われています。

調査結果の推移を見ると、総エネルギー摂取量はほとんど変化していないにも関わらず、総脂質摂取量と動物性脂質摂取量が著しく増加しています。

平成22年の調査では成人の4人に1人は脂質エネルギー比が30%を超えて摂りすぎの状態にあり、乳製品の摂取量が顕著に増加したにもかかわらずカルシウム摂取量は変化せず、さらに鉄摂取量が減少してきています。

つまり緑黄色野菜や葉物野菜・海藻などの摂取量が減って、摂取する野菜の種類や質が変化してきたことが伺われます。

野菜不足によって体に引き起こされる症状は実に様々です。もちろん野菜以外の食べ物にたくさんの栄養素が含まれていますが、主に野菜類ではビタミン・ミネラルと食物繊維が大きいと言えるでしょう。

野菜の摂取量が少ないと当然これらの栄養素が不足してきます。片寄った食事をしていると見る間にニキビなどが出てきたりしませんか??実はニキビができるメカニズムは単純です。

何らかの理由によって毛穴がつまり、うぶ毛を伝って皮膚表面に出るはずの皮脂が毛穴の中に溜まって、ラードのような塊りコメドというものになり毛穴をつまらせます。

詰まった毛穴の中で皮脂を栄養源にしてアクネ菌が異常繁殖して炎症がおきます。アクネ菌は毛穴の常在菌で思春期以降、誰でもほぼ100%住みついている菌です。肌表面のバランスを正常に保つ役割があり、肌に必要な菌で悪玉菌ではありません。嫌気性菌で空気のあるところでは生きられず、毛穴の奥など空気のないところにひそんでいます。

思春期の場合は成長ホルモンの影響により皮脂の分泌が活発になることが原因となりますが、大人ニキビの原因としてはストレスや・睡眠不足・不規則な生活での男性ホルモンの増加による皮脂分泌過多が挙げられます。いずれも過剰な皮脂分泌が原因となりますが、では何故皮脂分泌が過剰になるのでしょうか

一番の大きな原因はビタミン不足です。主にビタミンBは毛穴から分泌される皮脂の量に大きく関わるので、不足すると皮脂量が制御できなくなり、過剰な皮脂が分泌されます。しかも本来ならば何らかの理由でトラブルが起こりかけても自然に治まるのですが、ここで更に肌の調子を整えるビタミンCや免疫力を高めアクネ菌の働きを押さえるビタミンAなどが不足していることにより、本来の修復機能が働かず長引いたり悪化したりすることがあるのです。

また野菜不足で現れる症状のひとつに頭痛があります。多くの人が経験しているものの「たかがこれくらい」と見逃し、薬で痛み自体を抑えては治った気になることも多いですが、頭痛は体からのシグナルです。どこかに不調や異常がなければ起こらないものなのです。

頭痛の原因は様々ではっきりとわかっていないこともたくさんあり、対処療法がとられることが多いのも事実です。種類は大きく分けて片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛・他の病気の症状として現れる頭痛の4つに分けられ、その痛みの原因の殆どが何らかの神経に起因するものや血管に関係するものであることが多いようです。

頭痛を訴える人に多いのがマグネシウムの不足です。マグネシウムは海藻類に多く含まれるミネラルのひとつで、とうがらしや切り干し大根や枝豆などにも多く含まれます。頭痛の原因のひとつに収縮した血管が戻っていこうとする時に、血管の周辺の神経を大きく刺激することが考えられます。マグネシウムは筋肉の収縮をブロックする役割により血流を正常な状態に保つので、不足することが頭痛を助長するのではないかと言われています。

そして野菜不足とニキビには大きな繋がりがありましたが、肌荒れにも関係があります。まずは前述したビタミンA・B・Cやミネラルなど、肌の代謝に直接必要な栄養が不足することによりバランスが崩れ、ターンオーバーが正常に行われなくなってしまうといわれています。またビタミンC・E・βカロチンなどが不足すると、血流が悪くなるだけでなく、イライラしたり睡眠不足に陥ったり、ストレスが溜まったりという問題も出てきて、肌の状態を更に悪化させます。

また、他の食べ物より野菜に多く含まれる代表的なものが食物繊維です。食物繊維には不溶性と水溶性二種類がありますが、前者は便のかさを増やして腸内の掃除をしてくれますし、後者は便の状態を良くして出しやすい状態にしてくれます。食物繊維の不足により陥る症状が便秘です。

便秘になると腸内の善玉菌が減って、有害物質やガスを発生させる悪玉菌が増えていきます。長時間便が腸内に留まると、腸壁や血液に有害物質が溶け出し、血管を通じて全身に巡ります。もともと肌細胞は肌に溜まった汚れや余分な皮脂や水分などを排泄する作用があるので、肌細胞に有害物質が運ばれることで排泄機能が低下して悪影響を及ぼすというわけです。

また、腸が溜まった便やガスのために膨張し、周囲の器官を圧迫して新陳代謝を滞らせ血行を悪くさせることも肌荒れの原因となります。更に自律神経の働きの悪化も助長され、顔がむくんだりたるむ原因にもなります。免疫力も弱まるので肌トラブルを起こしやすいとも言われています。肌にも影響が出やすいので、美肌を作るためにも便秘予防に努める必要があります。

また腸内環境が優れないと肌以外の不調も出てきます。もちろん排出されづらい状態の高カロリー高脂肪な食事は肥満にも直結しまし、便が腸内に長期間留まることにより多量に発生する有毒物質やガスが細胞を変化させ、腸内の環境を乱して免疫力の低下を招きます。結果細胞ががん化しやすくなり、大腸がんをもたらす危険性もあります。また便秘で溜まった腸内の便を押し出そうとして無理な力が加わり、大腸の壁が飛び出す大腸憩室炎を引き起こす可能性もあります。大腸憩室炎になると、飛び出した大腸に便が入り込み炎症が起きたり大腸から度々出血することもあります。

そして腸内に便が長期間溜まると水分が吸収され、硬く乾燥してしまうことから排便の際に肛門に圧力がかかり、痔を引き起こすこともあります。痔にはいきむことで硬い便が肛門を突き破り、肛門付近の毛細血管が切れて出血する切れ痔や、肛門を圧迫してできものを作るいぼ痔などに分けられます。

また野菜には塩分の排出を助けるカリウムも多く含んでいるので、野菜不足は高血圧につながります。高血圧の代表的な症状としては、肩こり・めまい・息切れや動悸などがあります。頭痛・耳鳴り・めまいや肩こりは脳に現れる症状で、場合によっては不安感を感じたり、物忘れや手足が痺れるように感じる症状を訴えるケースもあります。

心臓に現れる症状には動悸・息切れなど、圧迫感を感じたり、締め付けられるような苦しさを感じることもあります。そして血流が悪くなり、ストレスを感じる状態が長く続くと動脈硬化を引き起こす原因にもなります。

厚生労働省が2010年11月に、無作為抽出した3412世帯を対象に実施してまとめた「2011年国民健康・栄養調査」によると、成人の野菜類・果物類の1日の平均摂取量はそれぞれ277.4g・110.3gで、10年前の摂取量295.8g・132.3gと比べると減少しています。

特に野菜の摂取量の不足は深刻でもっとも多い60歳代でも312.3gとなっており、目標値である350gに達していません。20〜40歳代は特に顕著で1日の平均摂取量は20歳代は234.4g・30歳代は239.1g・40歳代では255.6gとなっています。

野菜不足は肌や体調やメンタルだけでなく、生活習慣病に直結するにも関わらず、ほとんどの人が抱えている深刻な問題となっています。

自分の趣向だけですぐに食べられることができるものは手軽に満たされた気になりますし、外食も便利で楽しいものですが、野菜不足を助長することにも繋がります。そんな中でもちょっと意識して少し工夫をするだけで野菜の摂取量は増やすことができます。今までよりも、そしてこれからも健康に快適に生きるためにリスクを知り、自分にとって必要なものを自分の力で取捨択一していかなければならないですね。

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Written by りょ~こ

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